メディアとプラットフォームの違いとは?
こんにちはたいつです。
ちょっと前にクックパッドさんのオフィスにて開催された「webメディア交流会」に参加してきましたので、そこで聞いたこと、感じたことから何回かにテーマを分けてまとめていきたいと思います。
第一回はタイトルの通り「メディアとプラットフォームの違いとは?」です
さて、「メディア」と言えば広義には「媒介するもの」、つまりは情報をつなぐものでありますが、「プラットフォーム」との違いにおいて、また「webメディア」という視点に立った場合、「メディア」とは情報媒体サービスといって良いかもしれません。
webメディアの例を上げると、「ハフィントン・ポスト」や「Gizmodo」、「東洋経済オンライン」などを上げることができましょう。他にも「俺的ゲーム速報jin」や「暇人速報」なども、メディアなのでしょう(こうした「まとめサイト」と呼ばれるものといわゆるニュースメディアとの違いは別項で述べますが)。
さて、それでは「プラットフォーム」とは何なのでしょうか?
本来の意味では「周辺よりも高くなった水平で平らな場所(台地)のこと」ですが、これが転じて、ITの世界では「多くのコンテンツのバックグラウンドに敷かれたシステムやサービス」と一口に捉えられます(本当ならばもっと概念的なものなので今の自分では言葉が足りないため、これで合っているとは断言できないのですが…)。
例えば、「Twitter」というサービスは、『自分の伝えたいことを140字でまとめて投稿して、他人の投稿を見たり、それにアクションを返すことのできるサービス』ですが、Twitterはあくまでも『仕組み』を提供しているに過ぎず、その上でユーザーが友達と繋がろうが企業がPR活動をしようが自由な、正にプラットフォームです。
他にもこの「はてなブログ」や「livedoorブログ」といったブログサービスも、あくまでサービスプロバイダは『情報発信できる仕組み』を提供しているだけに過ぎず、主役はそのサービスではなく、中身のコンテンツでは無いでしょうか?
そして、前回の交流会で話題に登ったのが【ニュースキュレーションアプリはwebメディアなのか?】という話でした。
ニュースキュレーションアプリとは、各種メディアから提供された記事を独自のアルゴリズムで選択し、そのアプリをダウンロードしたユーザーが関心を示すような記事を提供するアプリの事です。具体的には「Gunosy」や「スマートニュース」、「Yahoo!ニュース」、「News Picks」などが挙げられます。
これらのアプリ(というかサービスプロバイダ)は自分たちで記事を精製するのでは無く(一部そうでない例もありますが)、他のwebメディアが作成した既存の記事を、集客したユーザーに提供しています。
こうしてみると「情報を媒介している」という点でニュースキュレーションアプリはメディアだと言えるかもしれませんが、あくまでもこれらのサービスは「コンテンツ(記事)のバックグラウンドに敷かれたサービス」に過ぎないプラットフォームだと僕は思います。
つまりメディアとプラットフォームの違いは一次情報を編集して記事として発信するwebメディアと、そうしてできた記事をユーザーに横流しするニュースキュレーションアプリの違いと言えるかもしれません。
直帰率は低いほうが良いのか?というはなし
こんにちはたいつです。
前回、直帰率と離脱率の違いのおはなし - たいつです でお話したことからの続きで、今回は「直帰率」にフォーカスを当てて考えていきたいと思います。
直帰率とは「ユーザーがランディングページで離脱していった割合」のことなので、サイト内の回遊を高めたいなどと考えている場合にはなるべく低く抑えたい指標であるのは確かです。が、「果たして直帰率はただ低ければいいのか?」というところを今回は指摘したいと思います。
直帰率が上がる要因の例をリストアップすると
①開いたページが自分の求めていた、想定していたものとは違っていた。
②そのページで自分の当初の目的が達成できたので帰った。
③そのページからさらに先へ進みたかったが、適切な場所にリンクが貼られていなかったので諦めて帰った。
④元々そのページがLPだけで完結してるページだった。
…などなど、この他にもいくつかあるのですが、一番ヤバイのが③の「適切な場所にリンク(導線)が貼られていない」ことなんですね。
例えば、ECサイトで商品の購入ボタンがメッチャ下にスクロールしたところにあったら直帰率は当然上がってしまうわけです(普通そんなことあるはずないですが)。
どれくらいヤバイのかというと、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」で最後にハリーが秘密の部屋から出られないくらいヤバイです。適当すぎますね。
逆に直帰率が下がる要因の一例を上げると
①本当はかなり長いページだが、ページャーを入れて複数のページにしている(webメディアではよく見る形ですね)
②適切な位置に適切な形で他のページヘのリンク(導線)が貼られている。
③webメディアの場合なら、関連記事(レコメンド)がユーザーのインタレストを喚起するように作られている
④そのページだけではユーザーのニーズに答えられなかったため、他のページも見ざるをえない設計になっている。
…等があると思います。僕はメディアサービスを運営してる会社でバイトしているので、どうしてもそっち方向にバイアスがかかっていることは否めないのですが。
さて、こうしてリストアップしてみると、「直帰率が低い」という状態は必ずしも前向きな理由から起こっているのでは無いと思えてきませんか?特に④が原因で直帰率が下がっているのは、運営側にとっては「直帰率が下がって内部回遊も上がってPV数も取れてラッキー☆」かも知れませんが、逆にユーザーにわざわざページを移動させるという【負担】を強いているとは考えられないでしょうか?
僕が経験した例で言うと、あるアクセス数が非常に稼げていたページが有ったのですが、内容はスカスカでただダラダラと5ページにも渡っており、そのページの本題に行き着くには何度もページ移動を繰り返さなければなりませんでした。
当然直帰率は非常に低く、その記事の(2ページ目、3ページ目などを含んだ)トータルのPV数はかなり高かったのですが、平均ページ滞在時間がムチャクチャ短く、ユーザーは全くコンテンツに目を通して居ないことがわかりました。
そこで、様々な手段を用いて1つのページに内容をしっかりと詰め込み、冗長だったテキストを完結な日本語でまとめ、記事の長さを5ページから2ページに縮めました。
すると、当然直帰率は跳ね上がり、トータルのPVも下がってしまいましたが、平均ページ滞在時間が2倍近くに伸びました。つまり、ユーザーがしっかりとコンテンツを読むようになったのです。
この経験から、ただ闇雲に「直帰率を下げよう!」と奮闘することが果たして本当にユーザーに対して適切な価値を届けることと=(イコール)なのか?という疑問を持つようになりました。
直帰率という指標は内部回遊やPV数の増加と密接な関係にありますが、そんな中でも「ユーザーのため」という姿勢を忘れてほしくはないのです。
直帰率と離脱率の違いのおはなし
こんにちはたいつです。
今日は前回お話しした Google AnalyticsでサイトのDAUを見る方法 - たいつです に引き続き、Google Analyticsについてお話します。
Analyticsには様々な指標がありますが、地味〜に重要で、微妙〜に意味がわかりにくいのが「直帰率」と「離脱率」だと思います。
「Analytics ヘルプ」を見れば一応解説はしてくれますが、イメージをつかむのが難しいのではないでしょうか。特に「離脱率」は直帰率と似通っているため、「違いがわからん!」という人もいるんじゃないでしょうか。
ということで図解して説明してみます。
直帰率とは
検索、ソーシャル、参照リンクなど、様々な経路を伝ってユーザーが最初に降り立ったサイト内のページのことをランディング・ページ(略してLP)と呼びます。
あるサイトにはページAとページBの二つのページがあり、AからBへのリンクが貼られていると仮定すると、直帰率とは、ページAに100人訪れたうち、何人がページBに行かずに帰っていったかの割合だと思ってください。もっと抽象的に言うと、「ユーザーがそのサイトのランディングページで離脱していった割合」のことです。さっきの例で言えば、2人のユーザーがページAに訪れ、1人はページBに移動し、1人はブラウザを閉じてしまった場合、サイトの直帰率は50%になります。
離脱率とは
今度は離脱率について図解しました。
離脱率とは、ページAからページBに100人移ったうち、何人が他のページに移動せずに帰っていったかの割合です。ちなみに、離脱率は「そのページで離脱したユーザーのパーセンテージ」なので必ずLPから移動している必要があります。逆を言えばLPから離脱ページまではどんなページを経由しても構わないのです。
直帰率と離脱率の違いは?
直帰率とは、「ランディングページで離脱していった割合」
離脱率とは、「ランディングページから移動したけどその後あるページで離脱した割合」
です。それぞれサイトの運営やマーケティングを考える上で使い方が異なる指標ですが、具体的な使い方はまたこんど解説します。それではさよなら〜
Google AnalyticsでサイトのDAUを見る方法
こんにちはたいつです。
今日はウェブサイトのアクセス解析ツールで最も有名なGoogle Analyticsを使ってサイトのDAUを見ようというお話です。
DAUとは、Daily Active User の略で、1日に対してユニーク(延べ人数をカウントしない)なユーザーの数を指します。
対してMAU(Monthly Active User)とは、1ヶ月の期間に対してユニークなユーザーの数です。メディアやブログの規模を伝える上では、PV数というのはあまり重視されず、専らこのMAUが重視される傾向にあります。
ではDAUは何に使うかというと、MAUよりも更に期間を絞ることでどれくらい活発にユーザーが自分のサイトを訪れているのかを把握することができます。(他にも色々使い道がありそうですが)
Analyticsにログインして最初に見える「ユーザーサマリー」の画面では、その日の前日から30日間の、要は一ヶ月のUU(ユニークユーザー)を見ることができます。そこで見えるUUはあくまでも一ヶ月の期間に対してユニークなので、1日当たりのユーザー数を知ることができません。
これの何が問題かというと、「1日辺りどれくらいユーザーが来るのか知りたい」と思った時に、ただMAUを30(日数)で割っただけでは、例え1人のユーザーが期間内に日を変えて5回訪問したとしても1回の訪問としてカウントしてしまうため、期間内にサイトに何度も訪れたユーザーの数を考慮することができないのです。
Analyticsのサマリーや他の様々な画面上では直接的に1日あたりのUUを見ることができません。スプレッドシートなどにエクスポートすれば見ることができます。
ユーザーサマリーでセグメントを設定せず、指標を「ユーザー」に設定しましょう。期間をちゃんと目的のものに設定するのを忘れずに
そしたら、「エクスポート」から形式を選択してデータをダウンロードします。今回はGoogleスプレッドシートにしましょう。
はい、これで1日あたりのUUを見ることができました。画像では見きれていますが、「日の指標」の一番下にDAUの期間合計値を見ることができるので注目してください。MAUとは大きく離れているはずです。
…
今日はAnalyticsを使った小技(?)について解説しました。役に立ったなら嬉しいです。
大きな改善と小さな改善はどっちが良いのかというはなし
こんにちはたいつです。
マーケティングの用語(と言うかビジネス用語)の1つに「PDCAサイクル」という物があります。PDCAサイクルとは、「Plan」「Do」「Check」「Action」の頭文字から取った言葉で、簡単にいえば「計画を立てて施策を実行し、効果を測定したらそれを踏まえて次の施策に入る」という一連の流れのことですね。
マーケティングにおいては、このPDCAサイクルをいかに高速で、かつ適切に回せることが求められます。
加えてよく言われるのは、「イチかバチかの大きな改善を計画打てるのではなく、小さな改善を積み上げていけ」ということです。
つまり、小さなPDCAサイクルを高速で回して、小さな成果や改善を積み重ねていくのが理想だってことらしいです。
とまぁ、ここまで書いてしまうと、タイトルの「大きな改善と小さな改善はどっちが良いのか」の答えは出てしまうのですが、今日はそれに一言付け加えたいと思います。
「大きな改善」でイチかバチかの大改造をしてしまえば、それがコケた時にその事業が根底から終わりかねない失敗に陥ることもままあります。しかし、小さな改善を積み重ねていけば失敗によるリスクも小さく抑えられますし、何よりもそうした着実なグロースハックと小さな成功体験が企業や部署にとってのモチベーションを保つ要因になります。
しかし、小さな改善に囚われ過ぎてしまうと、サイクルを重ねていくうちに本来進もうとしていた方向性から大きく逸れてしまったり、継ぎ接ぎを重ねた結果むしろ動きにくくなってしまうことも多々あります。
そう考えると、「最初の目標設定」をしっかりと定めて、それぞれの施策がどれくらい目標に近づいたのか、その上でサイクルごとに目標を見直す必要があるのかどうかを再検討する必要があるのではないでしょうか。